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Channel: 鵺の調教室
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SM小説「愛がくずれた」(酒田豪)1970年

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大変レアな小説です。



宝文書房・桃園文庫No.2「SM小説 愛がくずれた」昭和45年発行、B6版、234頁。

【内容】K産業の越原専務は若輩ながら手腕家であり、前社長令嬢を妻に迎え、その妹(高校生)を同じ邸内に住まわせている。この平和で満ち足りた彼の生活の歯車が、ある女性からの突然の電話によって停止し、逆転する。彼に秘められている異常な過去と欲望とに起因した復讐の魔手は、まず義妹の心に深く爪跡を立て、続いて美貌の妻ともどもSM世界の奴隷と化してしまう…。

作者は酒田豪とあり、「秋田県生まれ、かつて『奇譚クラブ』等SM誌に、別のペンネームで作品発表。現在某料亭の主。」と紹介されています。

また、「カット:泉大吉、挿画:女々良恭」とありますが、「泉大吉」は、団鬼六『花と蛇』(SM耽美文学シリーズ)で挿絵を描いています。「女々良恭」は明らかに、小日向一夢=木俣清史です。氏の挿画が9枚挿入されていますが、他になぜか1枚だけ緊縛写真も挿入されていました。

この桃園文庫については、他に「異常な結婚」(日夏由紀夫…作家、テレビ脚本家)、「新時代の性愛テクニック」(藤原照夫)が紹介されています。
ただ、よく知られている桃園書房の桃園文庫とは別物です。桃園書房もすでにありませんが、その桃園文庫は1985年~2007年までの刊行であり、本書はそれより15年も前に発行されているからです。
参考までに、「桃園文庫」という名の学術文献資料集もあります。これは池田亀鑑博士(1896-1956)が特別図書として整理した約6,000点弱ある、主に「源氏物語」研究の資料集です。
さらに、中野・高円寺に「居酒屋・桃園文庫」というチェーン店がありますが、私は行ったことがないので、関係があるかどうかはよく分かりません(笑)。

尚、宝文書房・桃園文庫の住所は東京都文京区小石川3-21-5とあり、現在は印刷・箔押し・製本の会社が入っていますが、この本も表紙のタイトルが大きく金箔の箔押しがされているので、あながち無関係ではないような気もします。

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